年収が上がらないし、そもそもいつまで仕事を続けられるかわからない。定年後は年金だけではやっていけず生活が不安など、お金に対する不安は誰にでもある。
いつまで自分は働けばいいのか、どれだけ今後お金が必要なのか。人生100年時代だからこそ考えなくてはいけない課題が転がっている。あまり考えたくないが、考えなければいけない。
経済的に安心して暮していくためにはどうすればいいのか。働いて稼ぐだけでいいのか。いや、お金を得る方法は稼ぐ以外にもある。
『日本人のためのお金の増やし方大全』(ロバート・G.アレン著、稲村徹也、丸山拓臣翻訳、フォレスト出版)は、ライフスタイルや経済事情に合った「お金の増やし方」を多くの図番を交えながら具体的な実践レベルまで噛み砕いて解説している。
本書には、経済的に裕福な人たちが実践している「7つの秘訣」が書かれている。これらの7つの秘訣は、安定と安心をもたらしてくれるという。
それが以下の7つだ。
1.価値を知る
2.コントロールする
3.蓄える
4.投資する
5.稼ぐ
6.守る
7.分かち合う
経済的安定へと導いてくれる7つのマネー・スキルのうち、1~3のマネー・スキルはあらゆる経済的成功の土台となるものだという。その3つを取り上げよう。
億万長者のジョン・D・ロックフェラーは、自分の子どもたちにお金の価値を教えるために、それぞれに週25セントのみを与え、その他は自分で稼がせるようにした。そして、各自の通帳に収支記録をつけさせ、収入の10%をチャリティに寄付、10%を貯蓄にまわさせた。さらに、明細を報告することも求めた。
彼が教えたのはこの4つのお金のパターンである。それがまずは「働くことの必要性」。次に「慈善活動の重要性」、そして「貯蓄の必要性」、最後に「説明義務の威力」だ。 お金持ちだからこそ、お金の価値を教える教育をしっかり行っていたのだ。
自分の財務状況をコントロールするための最初のステップは、経済の基盤となるシンプルなシステムを構築すること。
主な収入源となる今の仕事の他に複数の収入の流れを得る。そして、お金の使い道を「付与」「自分」「税金」「住居」「日常生活」「車」「娯楽」「保険」「借金、雑費」「ビジネス」の10カテゴリーに分けて整理する。
成功者は各マネー・イベントにつき、数分間余分な時間を費やし、出費を記録し、適切にファイリングするという。この数分間の時間の使い方が、のちに大きな違いをもたらすのだ。
「save」という単語には、買い物の際できるだけ少なく支払う「節約する」と、余剰金を捻出する「蓄える」という2つの意味があると本書。人によっては節約するsaveに長けているが、2つ目の「捻出する」がなかなかできない。これに対して、裕福な人々は、両方の「save」に長けているという。
これらのマネー・スキルはお金を増やすための基礎的な部分を成すことになる。他の4つも含めて、知っておいて損はないはずだ。
また、本書を通していかに自分がお金と向き合っていないか痛感する人もいるだろう。そんなときこそ変わるチャンスとも言える。 お金の不安を払拭するためにも、お金を増やす仕組みを学んでみてはどうだろう。
(新刊JP編集部)
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