このご時世、なかなか旅行に行きにくい日常が続いている。
旅を生業としている旅作家であり、『ご近所 半日旅』(ワニブックス刊)の著者である吉田友和氏にとっては、死活問題...になるかと思いきや、実は悲観もしていないし、ストレスもたまっていないという。
なぜなら「ご近所半日旅」という新しい旅を始めたからだ。
本書『ご近所半日旅』では、「ご近所半日旅」とは何なのか、「ご近所半日旅」の心得七箇条、旅の事例など、その魅力を紹介している。
では、「ご近所半日旅」とはどんな旅なのか。
そのキーワードは2つ。「ご近所」であり、「半日旅」であることだ。
半日旅の利点であり、最大の特徴は、思い立ってすぐに実行できるということ。
旅は思い立ったときが行きどき。計画から実行までの期間が長すぎてしまうと、盛り下がってしまう。思い立った次の瞬間に旅立てるのが、吉田氏の提唱する「半日旅」のいいところだ。
次に範囲だ。どこまでが「ご近所」なのか。人それぞれで距離感は違うので、吉田氏は分かりやすさを優先する形で、大きく2つの段階に分けている。
1つ目は、自宅から徒歩あるいは自転車で訪問可能なエリアである「超ご近所」。2つ目は、自宅から電車やバスなどの公共交通手段で短距離移動したエリアだ。
もしかしたら「それって散歩と何が違うの?」と疑問を抱くかもしれない。
ご近所半日旅と散歩も違いは、時間が一つの目安になるという。散歩が1~2時間程度なのに対し、ご近所半日旅はもう少し長いイメージで、少なくとも3時間以上で最大半日くらいだという。
そんなご近所半日旅の魅力は、自分が暮らす地域とじっくり向き合えることだ。
街のいいところや残念なところを改めて見つけ出す作業は意外に新鮮だったりする。ただぶらぶらするのではなく、「見たい」「知りたい」「体験したい」という新たな欲求が生まれたり、探求心を持って目の前の風景と向き合ったりすると、ただの散歩との違いになる。
吉田氏自身、日本全国、世界各地を旅し続けてきたが、ご近所半日旅には、遠出をする普段の旅行と違った目新しさがあるという。そして、その落差が大きいがゆえに、何かを発見したときの喜びが大きなものになるそうだ。
◇
春になり、暖かくなってきた。出かけるにはうってつけの季節だ。ご近所半日旅に出てみて、普段気付かなかったご近所の魅力を発見してみてはいかだだろう。
(T・N/新刊JP編集部)
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