『少年ゲリラ兵の告白』･･･沖縄戦の「護郷隊」とは？ 文庫で発売

　太平洋戦争末期、陸軍中野学校が沖縄で組織した少年ゲリラ部隊があった。「護郷隊」だ。14～17歳の約1000人で構成され、162人が亡くなった。2015年にNHKスペシャル「あの日、僕らは戦場で～少年兵の告白～」として放送されて反響を呼び、のちに新潮社から『僕は少年ゲリラ兵だった――陸軍中野学校が作った沖縄秘密部隊』として単行本されていたが、このほど同社から『少年ゲリラ兵の告白　陸軍中野学校が作った沖縄秘密部隊』として文庫化された。税込529円。

　生き残った少年たちの一部は、精神錯乱に陥るなど深い「心の傷」を背負うことになった。本書ではNHKスペシャルの取材班が丹念に中野学校の関係者に迫り、その無慈悲さ、身勝手ぶりも浮き彫りにしており、「秘密戦」の実相を知るノンフィクションとして読みごたえがある。

『少年ゲリラ兵の告白　陸軍中野学校が作った沖縄秘密部隊』（新潮文庫）

（BOOKウォッチ編集部）