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ロケット開発も球団設立も。ホリエモン「やりたいこと」ができるワケ

やりきる力

 プロ野球独立リーグ参入をめざし、新球団を設立した実業家の堀江貴文さん。会見では、「日本の野球市場をメジャーリーグに対抗する組織に育てたい」という大きな目標を掲げた。

 「社長になりたい」「球団作りたい」「ロケット飛ばしたい」......多くの人にとっての「子どもの夢」に、失敗を恐れず次々と挑戦する「ホリエモン」。そんな彼が、一歩を踏み出したい人々にエールを送る。

 堀江貴文さんの新著『やりきる力』(学研プラス)が5月27日、発売された。

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 本書は、堀江さんが、成功するために必要なことを、自らの人生経験を交えて語る。とくにこれからの時代を生きる若者たちに向けた内容が多い。

やりたいことに没頭しろ!

 本書のなかで堀江さんは、「やりたいことがない人間なんて絶対にいない」「『自分のやりたいこと』のために生きるべき」と、やりたいことに取り組む重要性をたびたび強調する。そしてそれが、成功に繋がるとしている。

 「やりたいことが見つからない」という人に、堀江さんは「もしあなたがそう思っているとしたら、心の中で大きなウソをついている」と指摘する。

「やりたいことは、見つかるものではなく、動き回っているうちに、向こうから手の中に飛び込んでくるものだ。『やりたいことが見つからない』理由は、見つけられないふりをして、自分を静止させているせいだろう。動き出すことに怯えている証拠だ」

 たしかに堀江さんは、やりたいことを実現するためにこれまで突っ走ってきた。大阪近鉄バファローズ買収構想やニッポン放送買収計画。失敗してもめげずに次の「やりたいこと」にまい進する。最近では、「ホリエモンロケット」といわれるロケット事業が記憶に新しい。

 節操がないわけでも、情熱だけで動いているわけでもない。人一倍努力家で、辛抱強い一面も。「やりたいことはあるが、やり方がわからない」という人には、「思いつく限りのことを失敗も"込み"で次々とやってみるしかない」という。

「どうせ最初から、うまくいくわけがないのだ。そのように腹を括って、手ごわいエラーを正面から受け止めよう。エラーは必ず改善できる。そしてまたトライする。辛抱強く繰り返しているうちに、いつの間にか、やりたいことが理想の状態に近づいている」

睡眠時間を削るな!

 意外だったのは、第3章にある「睡眠をおろそかにしてはいけない」という言葉だ。

 先述の通り、堀江さんは様々なことに取り組んでいる。そのため、「いつ寝ているのだろうか?」と思う人も多いだろう。

 だが、本書によると、実は普通に寝ているという。大抵1日7時間、短くとも5、6時間は寝ているそうだ。

 堀江さんはその理由を「睡眠時間を大切にするのは、ビジネスや遊びの能率を上げるため」「1日17時間以上はフル活用できるのだから十分だろう」と説明する。言われてみれば当たり前のことなのだが、実践できていない人は多いだろう。

 徹底的に「無駄」を省き、必要なことに時間を使う。コロナ以前から「通勤時間もオフィスも無駄!」と言い続けてきた堀江さんは、当然リモートワーク推進派だ。刑務所の中でもメルマガの発行や著作など、情報発信を続けてきた自分を「言ってみれば、リモートワークのエキスパート」と称し、「会社に行かなければ仕事ができない、という考え方は完全な思い込み」とバッサリ。「気持ちさえあれば、制限された現実の環境を、自分の望むとおりに変えることはできるのだ」

親を怒らせるくらい、思い通りに生きろ!

 現在、49歳の堀江さん。親世代として若者にこうエールを送る。

「親の制止なんか振りほどき、親を怒らせるぐらい、思い通りに生きろ!
 それは、思いついたら何をやってもいい『自由な時代』にタイミングよく生まれた、あなたたちの責任でもある」

 本書の文章は、論旨が明快で非常に読みやすい。だからこそ一つひとつの言葉に説得力があり、ページをめくるたびに心動かされる。本を普段読まない人でも、スラスラと読むことができる。

 この春から社会人になった人、これから社会に出る人が本書を読めば、きっと世の中の見方が変わるはず。


 
  • 書名 やりきる力
  • 監修・編集・著者名堀江貴文 著
  • 出版社名学研プラス
  • 出版年月日2021年5月27日
  • 定価1,430円(税込)
  • 判型・ページ数四六判・224ページ
  • ISBN9784054068308

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