大学入試改革や私大定員の厳格化により、難関大学はさらに狭き門になっている。大学受験で少しでも有利になるよう、中学受験を選ぶ家庭も多いだろう。
将来を見据えた中学受験に向けて、何を学び、どのような方法で勉強すれば、思考力と表現力が身に付くのだろうか。小学生のお子さんを持つ親御さん必見の『学習の作法 中学受験・中学入学準備編』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)が5月28日に発売された。
「学習の作法」とは、分からない問題に出合った時に、どうすれば答えが出るのかを考える力を指している。どの分野にも必要とされる力であり、難関大学を目指す子どもたちにとって、なくてはならない頭の使い方と言える。
本書では、国語・算数・理科・社会各教科の「基本作法」「応用作法」を紹介するとともに、下記のような例題に対して、どんな頭の使い方をすればいいのか詳しく解説していく。
「時間=距離÷速さ」といういわゆる「はじきの公式」を覚えておけば、「何分かかるか」の答えはすぐに出るが、「時速」の意味まで考えて、自分の言葉で説明させるのがミソだ。
目次は下記の通り。
はじめに
第1章 中学入学後、一歩リードするための勉強法
1 コロナに負けない「非常時の自宅学習法」
2 中学受験をしない子の「基礎力アップ勉強法」
3 本気で中学受験を目指す子の「ケース別勉強法」
第2章 「文系科目」の作法(国語、社会、一部の理科)
基本作法 物事の構造を把握する
応用作法 音読する。そして、自分の言葉で説明する
第3章 「理系科目」の作法(算数、理科、一部の社会)
基本作法 図や表を書いて考える
応用作法 書き出して、分析する
第4章 【中学入学準備編】中学入学までにマスターしておきたい作法
1 一歩先ゆく「英語の作法」
2 一歩先ゆく「数学の作法」
付録
1 コロナに負けない小中学生のためのおすすめ参考書・厳選62
2 自宅学習用モデルカリキュラム
著者の天流 仁志(てんりゅう ひとし)さんは1982年北海道生まれ。東京大学法学部卒。地元公立小中学校から鹿児島のラ・サール高校に進学し、圧倒的な力の差を痛感したという。そこで、学力の地域格差、親の理解不足による格差への発展等の受験に対する技術研究を始めた。その成果を生かし、東大入学後も複数の塾、予備校を指導した実績を持つ。現在では、GLS予備校の教務主任として教室と通信添削コースで少数の生徒の指導にあたっている。
中学校に入ってから学ぶ英語や数学で一歩リードできるよう、小学生のうちから身につけておきたい考え方も紹介している。中学受験をする、しないに関わらず、考える力を養うために役立つ一冊。
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