度を越して人の物を欲しがったり、得をすることに執着したりするチコ。
彼女はなぜ、モンスター級の「クレクレちゃん」になってしまったのか――。
ぱん田ぱん太さんの『欲しがるあの子を止められない とんでもないクレクレちゃんに絡まれた結果、 人生を深く考えた話』(KADOKAWA)は、モンスター級の「クレクレちゃん」のチコに周囲が絡まれ、振り回されるコミックエッセイだ。
その性質ゆえに人間関係のトラブルが絶えないチコ。なぜそこまでがめつくなってしまったのか。数々の仰天エピソードを描きながら、彼女の生い立ちに踏み込んでいく。
主人公・きよかは、医療系の仕事に就いているアラサー。ある日、ネイリストになりたい義理の姪っ子にネイルをしてもらい、あまりにもかわいかったのでインスタに画像を載せた。
すると、投稿を見た大学時代の友人・チコから「これどこのサロン?」「友達割引とかある?」「あるんやったら紹介して~」......と、DMが立て続けに送られてきた。サロンではないし、中学生の義理の姪っ子の練習台になっただけと、きよかは返信する。
そこで終了かと思いきや、「私も練習台になってあげるで! いつ行ったらいい?」「ガソリン代くれたら迎えに行くし」......と、またもや的外れなDMが。なにがなんでも無料でネイルをしてもらうぞという執念を感じさせる。
話が通じないうえにしつこい。きよかは途中から返信しないことにした。すると、チコの暴走がはじまった。姪っ子が通う学校や自宅を特定しようと動きだしたのだ。困り果てたきよかは、姪っ子が「知らん人は怖いからやりたくないし無理」と言っていたことにして、なんとかこの場を切り抜けようとするが......。
「きよかの同期なんやから知らん人ちゃうで~ 怖いとかちょっと失礼な子やな...」
「私から説得するわ! 姪っ子の連絡先教えて~」
無視したら暴走するし、はっきり断っても諦めない。かと言って、もしも一回無料でネイルをさせたら、この子は「次も次も」とますます厚かましくなるに違いない。
一体どうしたものか。きよかは悩んだ末、共通の友達に相談することにした。このときまで知らなかったが、チコは学生時代から度々トラブルを起こしていて、みんなから警戒されていたようだ。
チコに目を付けられたきよかを救うため、チコにやらかされたことのある子たちが策を練ってくれることに。本人に言っても通じないので、チコの旦那に直接訴えようという話になり(「チコちゃん結婚してたん?? よう出来たな??」)、どうにかしてつながりをたどって旦那に接触できたという。
チコのインスタのアカウントは削除された。これにて一件落着......のはずが、きよかは友達から気になる話を聞く。チコは自分たちの間では完全なる要注意人物だが、旦那はチコのことを理想の奥さんと言っていて、義理の両親とも仲がいいそうだ。
同じ人間が、相手によって真逆の印象を持たれるという不思議。友達の話を聞くうちに、得をすることに異様に執着するチコの「クレクレ」ぶりは、実の母親から来ていることがわかってきた。
「チコんち 親がやばいらしいねん」――。周囲を悩ませているチコ自身、悩みがあった。やばい「怪物」のチコは、もっとやばい「怪物」に育てられたのだった。果たして、欲しがる子は欲しがらない子になれるのだろうか。
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