仕事での人間関係や仕事量に追われ、プライベートでも人付き合いに疲れ、新型コロナウイルスで日常とは違う生活...不安やイライラでストレスを溜めてしまうことも多いはず。ストレスって、自分でうまくコントロールできないものか。
『ストレスの9割はコントロールできる』(鎌田敏著、明日香出版社刊)では、震災、リストラ、パニック障害などいろいろな環境で多くのストレスを受けてきた経験から、ストレスに対する対処法と予防法を身につけた著者の鎌田敏氏が、ストレスコントロールの方法を解説する。
では、どのようにストレスをコントロールすればいいのか。本書ではその思考法と行動習慣を紹介している。
思考法で大事になるのは、「手放す」ことだ。逆境にあると、心のエネルギーは下がるもの。こういうときこそ、「昨日まではリハーサル!」「今日から本番だ!」と、これまでの苦しみや悲しみのとらわれを手放し、頭を上げ、目指す方向に動き出すことが大切。それがストレスを溜めないコツとなる。
逆境の中で体験する苦しみや悲しみの感情を手放すには3つの方法がある。1つ目は、「今、ここ」に集中すること。不安が襲ってきたなと感じたら「掃除に励む」「漫画を読む」など、意識を不安以外のものに集中させることで不安へのとらわれを手放すことができる。
2つ目は、目標に集中し、行動すること。望ましい未来の実現に向けて集中する。3つ目は、ポジティブな宣言をすること。自らの潜在意識に働きかけ、これまでのネガティブな思い込みやとらわれを手放し、ポジティブな願いを叶えるべく働きかけることを「アファーメーション」と呼ぶ。「昨日まではリハーサル!」と自分の心に檄を飛ばすのもアファーメーションになる。
思考をコントロールするやり方を学んでも、実際に実践するのとうまくいかないこともある。そういう場合は、身体を動かしたり、行動を変え、行動習慣でストレスをコントロールするのがよい。
たとえば、頭の中でモヤモヤ・イライラしていることを紙に書き出して「見える化」することで、「自分はこんな感情だったんだ」と客観的な目で見ることができる。すると、その感情を優しく受け止めることができる。
また、人間には貢献欲求があり、誰かの役に立てている実感は、その人の心を豊かにする。だから、「自分がいなくなると困る人は誰だろうか?」と考えて、その困る人を書き出してみるのもよい。
ストレスが溜まっていると、さまざまなことが上手くいかないと思ってしまう。そうなってしまう前に、自分でストレスをコントロールする方法を知っておくべきだろう。ストレスを軽減し、心を軽くすれば、仕事もプライベートももっと楽しくなるはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)
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