何か大きな心配事があるわけでもなく、失敗をしたわけでもないのに、「そわそわ」して落ち着かない気持ちになってしまう。焦ってしまったり、気が休まらない状態が続く。特に今のように社会全体が落ち着きをなくしている状況では、周りの雰囲気に飲まれるように浮足立ってしまうこともあるだろう。
そんなそわそわが止まらない人に向けて、気持ちに余裕を持って、楽に生きるために、そわそわ感を消すための方法を紹介するのが『そわそわしない練習』(植西聰著、青春出版社刊)だ。
日常的な緊張感を和らげる方法を紹介している本書。
たとえば、「セルフ・トーキング」という方法がある。これは、自分で自分にする言葉がけのこと。
言葉の力は思っているより大きい。「落ち着こう」「のんびりやっていこう」といった言葉を自分にかけることで、「急がなきゃ」「あれもこれもやらなきゃ」と日々思っている自分にブレーキをかけて、緊張を和らげることができるという。
どんな言葉でもいい。自分なりに気持ちが落ち着く言葉を見つけて、日常的に自分に言い聞かせることを習慣にするといい。
また、気持ちがそわそわする原因の一つに「焦燥感」がある。いわゆる「焦り」である。何事も、まずは焦らない。おおらかな気持ちでいることで、イライラやそわそわといった感情も消えて、物事はうまくいく可能性が高くなる。
そのためにも、自然の流れに任せることも必要な心構えだ。これは「禅」の考え方にもあり、人は自然の流れに乗って生きていて、それは運命という言葉にも言い換えられる。自然体で、自然の流れに任せることで、精神的にも楽になれるのだ。
気持ちを落ち着ける方法は、たくさんあればあるほどいい。本を読む。ペットと遊ぶ。散歩をする。というように、自分なりに気持ちを落ち着かせる方法を複数持っておいて、その場、その場に合わせて、それを実践してみる。気分転換の方法をたくさん持っている人のほうが、平穏に暮らしていけるということだ。
「なんとかなる」「きっとうまくいく」というように、楽天的でいることも、そわそわしないために大切である、と著者の植西氏は述べる。普段の日常に加え、新型コロナウイルスの影響で閉塞的な生活が続く今、特に理由が見当たらないけれど、そわそわをなんとなく感じている人は多いのではないか。本書を参考に、自分自身で気持ちを楽にする、穏やかな気持ちでいられる方法をいくつか見つけておくことが、平穏な暮らしを過ごす上で必要なことなのだろう。
(T・N/新刊JP編集部)
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