2020年度から、英語が小学3年生の授業に組み込まれた。「自分は英語ができないから教えられない」と思っている人も多いのでは? そこで、英語に苦手意識がある親が子どもの英語力を高めるための1冊を紹介する。
『100%日本在住でも!親は英語が苦手でも!グローバル人材になれる! 子どもの英語力がグンと伸びる最強の学習』(扶桑社)は、東進ハイスクールのカリスマ英語講師、安河内(やすこうち)哲也さんの著書。
次の項目に1つでも当てはまる人におススメだ。
□子どもの英語の教科書の具体的な内容を知らない
□子どもが英語の教科書を読むのを自宅で聞いたことがない
□子どもの学校や塾の先生がどんな授業をしているか知らない
□子どもに大学受験のための英語を早くから始めさせたい
□英語が苦手な親にはできることはなにもない
本書には、英語教育の変化をキャッチするための重要ポイントや、どんな環境でも子どもがグローバルに活躍できる大人になるための学習法をまとめている。
安河内さんの32年の講師経験と実績から導き出される学習法には、「自分も英語を話せないから子どもも話せなくても仕方ない」「小さいころから英語を習わせたほうがいいはず」「学校の授業だけでは物足りない気がする」という思い込みから脱却し、子どもの英語力を伸ばすヒントが満載だ。
安河内さんは、「現実的な目標」として、英語を十分に使いこなせる年齢を20代前半に設定している。小さなころからインターナショナルスクールに通わせたり、英会話教室に通わせたりしなくても、十分に達成できる目標だという。
本書の特徴を紹介しよう。
1.20歳までの英語学習をわかりやすくロードマップ化
学年ごとの英語学習の目安を段階別に解説。就学前から小学校6年生までは、「チャンツ」や「フォニックス」など正しい発音の習得や、発音とアルファベットの関係を知ることで、無理なく音になじませる。中学校の3年間では教科書を丸暗記できるくらい使い倒す。そして、高校では「大学受験用の勉強は高3の後半」と割り切り、2年生までは音読や英文の書き取り、文法、単語例文などの学習に力を入れる。そして、中高を通して海外ドラマや洋楽に親しみ英語を楽しむこと、発音認識アプリなどを活用することを勧めている。
2.リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能を効率よく学ぶためのコツをたっぷり紹介!
英語学習にはリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4つの力が重要となる。これらを効率よく学ぶ方法やそれぞれの技能の関係性をわかりやすく紹介している。
本書の刊行にあたり、安河内さんがメッセージを寄せている。
こんにちは。英語講師の安河内哲也です。私は若いころから英語を各所で教えていて、講師歴はもう30年を超えます。最初は予備校講師として大学入試対策、いわゆる受験英語を教えていました。入学試験でいい点数が取れるよう、そして学校のペーパーテストで高得点をマークして上位の成績が取れるようにと、英語の文法や読解を日本語で説明してきました。
ですがそれとは別に、人とコミュニケーションをとるのが大好きなので、「せっかく英語を学んでいるのだから、海外の人と英語で存分にしゃべって、積極的に意志の疎通を図っていきたい!」と強く思っていました。そしてさまざまなツールを駆使して英語を勉強してきました。自分を実験台にしながら、いろいろな勉強法を試し、そして今では英語を話し、海外でも仕事ができるようになっています。
そして私の英語講師としてのミッションは、受験英語のノウハウを受験生に伝授することから、日本のすべての英語学習者が英語を話せるようになるお手伝いをすることへと変わってきました。
今、小学校からの英語教育が始まり、英語学習熱はかつてないほどに高まっています。一方で、昭和の時代の教育を受けてきた世代の多くの親たちは、どのように子どもに英語を勉強させればいいのか悩んでいます。
本書では、30年以上の間、毎日のように教室で生徒たちに英語を教えてきた私の経験から、子どもの英語学習を成功させるためのアドバイスをさせていただきます。現実的な目標として、英語を十分に使いこなせるようになる年齢を20代前半と設定しています。これは、小さなころから高価なインターナショナルスクールや海外の学校に通わせることができなくても、日本の教育システムのもとで、親がうまく舵取りをしていけば十分に達成できる目標です。ぜひ、皆さんのご家庭で、親子の英語学習に取り入れていただければと思います。
子どもから大人まで、英語を楽しく教えることで定評のある安河内さん。話せる英語、使える英語を教えることを重視しているという。本書には、そんなカリスマ講師による英語学習法が満載だ。お子さんの英語教育にお悩みの方はぜひ。
■著者プロフィール
安河内哲也(やすこうち・てつや)
1967年、福岡県北九州市生まれ、遠賀郡岡垣町育ち。上智大学外国語学部英語学科卒。
東進ハイスクール・東進ビジネスクールのネットワーク、各種教育関連機関での講演活動を通じて実用英語教育の普及活動をしている。また、文部科学省の審議会において委員を務めた。言語活動型英語授業を促進するために、各所へのスピーキングテスト、4技能試験の導入にむけて活動中。
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